神経科学研究者のブログです。科学、教育などに関する雑多な私見、主張など。
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2014-01-01から1年間の記事一覧

昨今の科学研究体制への苦情と提言

2014年もまもなく終わろうとしています。2014年の科学を振り返るということで、ネイチャー誌がそういう特集記事を出しています。 http://www.nature.com/news/365-days-2014-in-science-1.16573 やはりCDBの件が、入ってしまいました。高橋政代さんの臨床も…

日本の脳科学プロジェクト:問われる本気度

今年のノーベル賞は神経科学に関連深い内容が対象になって、世界的にも脳科学への関心が高まっている様子が感じられる今日このごろです。私も、10月中旬に日経バイオテクにノーベル賞関連コラムを書かせていただきました。 2014年度ノーベル賞と脳科学の未来…

巨大脳科学プロジェクトが始まった

米国NIHのBRAINイニシアティブのプロジェクト公式発表 しばらく前に発表されたNSFのBRAINイニシアティブ関係プロジェクトの発表に続いて、9月30日(米国東部時間)に、米国NIHのBRAINイニシアティブの最初のプロジェクトの内容が公開されました。ホワイトハ…

日米の巨大脳科学プロジェクト

今年も8月終わりということで、来年度(2015年)の文部科学省の概算要求が公表されました。脳科学研究戦略推進プログラム・脳機能ネットワークの全容解明プロジェクトとして、前年度から16%増加の64億円あまり(6,367百万円(前年度5,483百万円))の予算が…

欧州の脳プロジェクト

米国のオバマ大統領が提唱した巨大脳科学プロジェクトであるBRAINイニシアティブについては、2014年1月から3月まで、日経バイオテクに「脳科学の未来」と題する拙文を連載(6回)し、その一端を紹介しました。 脳科学の未来 https://bio.nikkeibp.co.jp/arti…

幹細胞研究というマニエリスム

「私が研究を評価するときの一番の目安は、驚きです。もう一つは腑に落ちること。この2つが、学術研究で大事だと思います。」野依良治 科学研究では、「驚き」を評価することが多い。意外であった。びっくりした。ということです。例えば、体細胞にたった4種…

MIT研究者採用問題にみる報告書の作製法

日本国内では、研究者リクルートに関して、コネを利用した人事や、偽装公募、出来レースなど、不透明で不誠実な行為が広く行われています。4月16日の理研CDB副センター長である笹井芳樹氏の記者会見の後、CDBにおける人事の疑問点について、Twitterの方で指…

脳科学の未来

2014年1月から3月まで、日経バイオテクに「脳科学の未来」と題する連載記事を寄稿させていただきました。以下が個々の記事です。お問い合わせは、こちらまで。 ======================================================= 日経バイオテクには、アカデミック版…

理研CDBを守れ

STAP問題の社会、経済、政治を巻き込んでの、混乱。これが問題であるというのは、間違いありません。「研究者倫理の問題」と「STAP現象が本当にあるのかという科学的関心」という2点が本質的に重要な問題です。更に、これらについての理研の対応、理研の広…