神経科学研究者のブログです。科学、教育などに関する雑多な私見、主張など。
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科学

NFTと学術に関する読み物:入門サイト

7/1にサンメディアさんのセミナーで、NFTと学術に関してのセミナーを行いました。 そのまとめです。 NFTと学術に関して理解するための入り口となるようなサイトをまとめてみました。 Web3は科学を救うか 資金調達や情報共有、海外で始動 (日経、2022年6月16…

昨今の学術発表を考える(その2)学術発表とNFT?

今回は今話題のNFTについて書いてみたいと思います。 わたしの関心の高いこととして、キーワードとして「バイオ」「学術出版」「NFT」ということになると思います。したがって、NFTをめぐる投資とか、デジタル芸術作品とか、メタバースとか、そういうところ…

新学期にあらためて考えてみよう

新学期です。 人口が少なくなり、高齢化が進み、福祉ばかりにお金が必要になり、未来志向の科学技術や教育に取り組めなくなって、イノベーションが少なくなる。 これが縮小を続ける日本の現状であるのは多くの方が認めるところだと思います。 一方で、このよ…

2018年の読書(その3)人工知能

「 2018年の読書(その3)人工知能」 をこちらにアップしました。

2018年の読書(その2)ノーベル賞、脳、進化、そして今

2018年の読書(その2)ノーベル賞、脳、進化、そして今 は、こちらの方にアップしました(下をクリック)。 masahito-yamagata.hatenablog.com

2018年の読書(その1)善意と詐欺

2018年も終わろうとしています。今年、私が接した英語の本の中から、印象に残ったものを、いくつか選んで紹介してみたいと思います。 今回は一般本、次回は科学関係の本を取り上げます。 (1)善意とは何か?Educated: A Memoir Tara Westover (著) この著…

バイオ系プレプリントサーバを利用してみた(その2)

前回は、「バイオ系プレプリントサーバを利用してみた(その1)」として、バイオ系プレプリントの最近の状況について説明してみました。 今回、たまたま論文原稿ができましたので、私のボスと相談して利用してみました。ボスは、科学論文では、Cell, Neuron…

バイオ系プレプリントサーバを利用してみた(その1)

2017年のSCIENCE誌「Breakthrough of the Year」の一つに、「Biology preprints take off」というものが入っていました。 http://vis.sciencemag.org/breakthrough2017/finalists/#bio-preprints 1年半ほど前に、「バイオ系のプレプリントサーバ (こちらをc…

バイオ系のプレプリントサーバ

バイオ系では、新しく発表された論文を気にするというのは、多くの研究者がそうであると思うのです。それは、大学などの学術機関に所属する研究者もそうでしょうし、民間企業の研究者もそうでしょう。具体的には、どうやるか、というと、こういったところで…

日本の大学院(研究系)改革の私案

日本では、高校から大学の入試改革が、2020年くらいから本格化するということで、そういう議論は盛んに行われています。同世代人口の半数が大学に進学するという時代、大学というのは多くの人にとって身近な話題ですから、関心を持たれやすいのでしょう。 と…

断想ー今年のノーベル生理学・医学賞

2015年度のノーベル生理学・医学賞は、北里大特別栄誉教授の大村智博士ら3名に授与されることになりました。メディアでも沢山報道されているように、多くの人々を救ったという功績、大村博士の様々な人柄、美術や教育についての思いが感動を呼んでいると思う…

ゲノム編集技術で遊ぶ

今、ゲノム編集技術が大流行していると思います。私も、これを使っています。実は、もう2年以上前にハーバード大学のコアファシリティと一緒に技術を確立しました。ボストンでも、おそらくMITのグループに続く速さだったと思います。最初に、成功した後、ハ…

根本から議論することの大切さ

このところ、日本では、第5期科学技術基本計画(2016-2020)の議論が盛んになっているようです。日本の科学技術政策、大学、大学院、研究所、学会の運営。。何でもそうなのですが、「根本のところから議論しない」「根本のところの議論をさせない」「根本の…

昨今の科学研究体制への苦情と提言

2014年もまもなく終わろうとしています。2014年の科学を振り返るということで、ネイチャー誌がそういう特集記事を出しています。 http://www.nature.com/news/365-days-2014-in-science-1.16573 やはりCDBの件が、入ってしまいました。高橋政代さんの臨床も…

日本の脳科学プロジェクト:問われる本気度

今年のノーベル賞は神経科学に関連深い内容が対象になって、世界的にも脳科学への関心が高まっている様子が感じられる今日このごろです。私も、10月中旬に日経バイオテクにノーベル賞関連コラムを書かせていただきました。 2014年度ノーベル賞と脳科学の未来…

巨大脳科学プロジェクトが始まった

米国NIHのBRAINイニシアティブのプロジェクト公式発表 しばらく前に発表されたNSFのBRAINイニシアティブ関係プロジェクトの発表に続いて、9月30日(米国東部時間)に、米国NIHのBRAINイニシアティブの最初のプロジェクトの内容が公開されました。ホワイトハ…

日米の巨大脳科学プロジェクト

今年も8月終わりということで、来年度(2015年)の文部科学省の概算要求が公表されました。脳科学研究戦略推進プログラム・脳機能ネットワークの全容解明プロジェクトとして、前年度から16%増加の64億円あまり(6,367百万円(前年度5,483百万円))の予算が…

欧州の脳プロジェクト

米国のオバマ大統領が提唱した巨大脳科学プロジェクトであるBRAINイニシアティブについては、2014年1月から3月まで、日経バイオテクに「脳科学の未来」と題する拙文を連載(6回)し、その一端を紹介しました。 脳科学の未来 https://bio.nikkeibp.co.jp/arti…

幹細胞研究というマニエリスム

「私が研究を評価するときの一番の目安は、驚きです。もう一つは腑に落ちること。この2つが、学術研究で大事だと思います。」野依良治 科学研究では、「驚き」を評価することが多い。意外であった。びっくりした。ということです。例えば、体細胞にたった4種…

MIT研究者採用問題にみる報告書の作製法

日本国内では、研究者リクルートに関して、コネを利用した人事や、偽装公募、出来レースなど、不透明で不誠実な行為が広く行われています。4月16日の理研CDB副センター長である笹井芳樹氏の記者会見の後、CDBにおける人事の疑問点について、Twitterの方で指…

脳科学の未来

2014年1月から3月まで、日経バイオテクに「脳科学の未来」と題する連載記事を寄稿させていただきました。以下が個々の記事です。お問い合わせは、こちらまで。 ======================================================= 日経バイオテクには、アカデミック版…

理研CDBを守れ

STAP問題の社会、経済、政治を巻き込んでの、混乱。これが問題であるというのは、間違いありません。「研究者倫理の問題」と「STAP現象が本当にあるのかという科学的関心」という2点が本質的に重要な問題です。更に、これらについての理研の対応、理研の広…

深刻だが気づかれていない問題

研究問題というと、通常、制度や仕組みの問題を議論するということになると思います。このようなことは、他の方が大いに議論されると思いますし、共通する意見や提案が多くでてくるでしょう。しかし、一般論としてですが、制度や仕組みの問題というのは、実…